JA職員がコメを横流しした不祥事も…
JAに“人質”を取られてコメを上納する。そんな「悪習」も今や昔とこの男性は自嘲するが、昨年10月には「JAしおのや(塩野谷農業協同組合)」(栃木県さくら市)の職員がコメ2500キロを卸売業者に横流しして100万円を着服するという不祥事が発生している。
「あれはタイミングが悪かったな。ただコメの高騰が関係しているわけじゃないんだ。ちょうどライスセンター内の人事が変わったタイミングでさ、横流ししていた人も知っているんだけど、昔からやっていたんだよ。ライスセンターの長が気付いてその人を止めたんだけど、『大丈夫、大丈夫、いつものことだから』って強行したみたいね。コメ不足に関係なく毎年やっていたんでしょ。
おそらくだけど今年の新米に関しても去年と同様に不足が続くんじゃないかな。いよいよJAも今までのようにあぐらかいてるわけにはいかなくなってるんじゃないかね」
毎年コメを横流ししてこづかい稼ぎしていたとしたら、初犯でも決して許されることではない。こんな犯罪が栃木県内の一農協にとどまらず、全国で「いつものことだから」と常態化していたらとゾッとするが、案外「消えた21万トン」の源流はこのあたりに潜んでいるのかもしれない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班