「休むために仕事をしている」と言い切るマイクロソフトのエリートが瞬時に見抜く「成果につながる努力」と「ムダな努力」の違いとは
最短の時間と最小のエネルギーで、最大の成果を出すために必要なことは、業務処理能力が高いことではない。その努力が成果につながるかどうかを「見極める能力」だという。マイクロソフト社の会議術を例に、「ドゥ・モア・ウィズ・レス」という考え方を解説する。
本記事は書籍『世界の一流は「休日」に何をしているのか』を一部抜粋・再構成したものです。
世界の一流は「休日」に何をしているのか #3
【資料作成】確認する時間を短くして、より多くの結論を出す
日本企業では、上司の目を気にして、きれいなパワーポイントで資料を作ったり、7色のグラフを作るビジネスパーソンも珍しくありませんが、マイクロソフトではシンプルで簡潔な資料であることが要求されます。
エグゼクティブによっては、資料作りの時間さえムダと考えて、「今ある資料を見せてくれ」とか、「手書きでいいから、すぐに持ってきてくれ」と指示するケースも少なくありません。
彼らは「資料は重要なエッセンスさえわかれば十分」と考えており、資料を確認する時間が短くなれば、結論に至るプロセスが短くなり、それだけ多くの案件の結論を出せることになるのです。
これこそが、「ドゥ・モア・ウィズ・レス」の真骨頂だといえます。
「成果につながらない努力」を的確に見極めることで、ムダに時間を浪費しないだけでなく、その時間を成果の出る努力に使うことができます。
こうした「ドゥ・モア・ウィズ・レス」のスタイルを実現しているから、彼らは効率よく仕事をして、休日を楽しむことができるのです。
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2024/11/1
1,738円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4295410300
世界の一流が休日に必ずすること、絶対しないこと
年収が上がる「週末2日間」の過ごし方
日本のビジネスパーソンは、休日を「休息」の時間と考えて、身体を休めたり、ストレスの発散を心がけていますが、必ずしも思い通りにはなっていません。
休みが明けても、疲れは依然として残ったままで、ストレスも解消されていない……と感じている人がたくさんいると思います。
一方、世界水準のエリートであるエグゼクティブの休日の過ごし方には、大きな共通点があります。彼らは、休日を「何もしない時間」と考えるのではなく、「積極的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と位置づけているのです。
彼らは休日を休息のための時間ではなく、仕事で成果を上げるための「原動力」と考えています。筆者が注目したのは、彼らがそれを「楽しんでやっている」ことです。
仕事を成功に導くための準備というと、多くの人が「苦行」や「修行」を連想してウンザリした気持ちになると思いますが、筆者が在籍したマイクロソフトのエリートたちは、スポーツや趣味を楽しみ、休日を満喫することで、自己再生とエネルギー・チャージという二つの目的を実現していたのです。
世界の一流の休み方を知って、休日の解像度を上げることは、これまでとは違った視点で自分の休み方を見つめ直すきっかけになります。
「こんな考え方もあるんだな」という新たな気づきが、あなたの休日を充実させて、毎日の生活にメリハリを与えてくれることになるのです。
【本書の構成】
第1章 日本人は、なぜ疲れていても休めないのか?
第2章 ここが違う!「世界」の休日と「日本」の休日
第3章 世界の一流は休日に「自己効力感」を高める
第4章 「土曜」と「日曜」を戦略的に使い分ける
第5章 休日に「1日7分」の新習慣