自分を嫌いになる理由
1のDoingの結果、2のHavingを手にすることも多い。社会や世間というものは、人を評価するときに1と2を見る。
あの人は仕事をがんばって会社の社長をやっているとか、あの子は毎日勉強をして有名大学に受かったとか。こうして、「できる人」と「持っている人」が評価されるのが社会のシステムだ。企業、学校、多くのコミュニティがこのような目で人を見る。
問題は、私も「私」のことをそう見ていることだ。
自己嫌悪に陥る理由はとてもシンプルだ。自分のDoingとHavingを評価し、裁くことで自分を嫌いになるのだ。
まず、Doing。仕事をがんばれなかったり、つい食べすぎてしまったり、何かを始めても続かなかったり。そのたびに自分のDoingが嫌になり、自分はダメな人間だとレッテルをはる。
次に、Having。仕事で昇進できなかったり、お金が増えなかったり、住みたい家に住めなかったり。そのたびに自分のHavingを嘆き、持ちたいものを持てない自分を低く評価する。
どちらか一方が欠けていることでも、自分を裁いてしまうことがある。Doingに関してはがんばっているつもりでもそれに見合ったHavingがなければ「人生は不公平」だと感じるし、逆に、大してDoingに自信がないときにHavingを得てしまうと「私には不釣り合いだ」と感じてしまう。
DoingとHavingを追い続けると、人生がジェットコースターのようになるだけで、いつまでも自己受容感は満たされない。
これでは、自分の存在を無視しているのと同じこと。私たちは、自分の存在をもっと気遣うべきなのだ。
DoingとHavingを追い求めてばかりいると、理想と現実のギャップは広がる一方で、心が満たされることがない。生まれたギャップに対して自分を「評価し→責め→裁く」を繰り返すようになる。