レターパックに書かれていた住所を調べると……

「あまりにも不愉快な思いをしたので、110番しました。しかしレターパックに書かれていた電話番号に警察が電話をしてくれたのですが、どうやら適当な電話番号だったらしいです。また、記載されていた送り主の住所も、ジェンダー関係の本を出版している会社の住所でした。

なので犯人を特定することはできませんでしたが、警察は事務所の周りを重点的にパトロールしてくれるなど、すぐに動いてくれましたね」

今回SNSでバズったときのように、世間の注目を集めると、それと同時に誹謗中傷の被害も増えてしまうという。しかし松永さんが発信を続けるのは、発信することで活動が知られ、共感してくれる仲間を見つけることができるからだ。

活動するボランティアの方々
活動するボランティアの方々

以前に投稿がバズった際、とあるインフルエンサーがこのバッジを紹介してくれたところ、誹謗中傷が一気に止まり、センターを月額500円(現在はシステムが変更になり、最低1000円から)でサポートしてくれるマンスリーサポーターが、7人から150人に一気に増えたそうだ。これによって、ついにバッジを無償で配布できるようになった。

痴漢被害はそのときだけでなく、心に大きな傷を残す。性暴力のない社会を目指すため、松永さんとサポーターの戦いは続いている。

取材・文/集英社オンライン編集部