シルバニアの赤ちゃん連れは、すぐそばにいるのかも
ふたりの話を聞いたあと、その効果はいかほどか、試しに筆者も“くるみリスの赤ちゃん”に作業中のパソコンの横にいてもらった。
すると猛スピードで原稿を仕上げることができた…ということはさすがになかったが、チラチラと視界に入る愛らしい存在が心を穏やかにしてくれたことはまちがいない。いっしょにいてくれるだけで、なんかちょっと、いつもより仕事が楽しい気もした。
Bさんに、周りにもシルバニアを持っている人がいるのか聞いてみると、「最近友だちと(シルバニアを)集め始めたので、あまり周りにはいません。でも、私もさすがに大声で人には言えないので、実は持っていても隠しているのかもしれません」という回答だった。
もしかしたら、自分の近くにいる人のポケットにも、街ですれ違った見知らぬ誰かのカバンにも、こっそりシルバニアが潜んでいるのかもしれない。
だが、もし本当にそうであっても、あの癒やし効果を体感してしまったあとではまったく驚きはしない。
この密かなブームは、まだしばらく続きそうな予感がしている。
取材・文/二ッ屋絢子