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SNSを誹謗中傷の手段にする人たち

数百年にわたる紆余曲折を振り返ってみると、日本人の自己家畜化にはそれなりの必然性があることは理解できるだろう。野生動物としてリスクを背負って生きるよりも、群れを作って集団で困難解決に向き合ったほうが生き残る確率は上がるし、結果として社会全体のパフォーマンスも状況が変わらなければ向上するだろう。

だが、煮詰まった集団主義が行き着いた先の現在の自己家畜化は、状況が激変した世界情勢のなかで、その弊害がさまざまな形で表れてきたのも事実だ。

自らを「社畜」と卑下する社会人は一時期に比べれば減った。書店の自己啓発書コーナーには「自分の人生をハックしろ」「自己肯定感を高めよ」等々の文言が躍っているが、いずれも小手先の技術論が多い印象を受ける。誰もが確固たる拠り所を探しながらも、それを見つけられずに漂流しているのかもしれない。

また、自己家畜化が極まった集団の弊害として近年目立つようになったのは、SNSの誹謗中傷だ。

YouTuberは主人が喜ぶ芸をするイヌ? SNS上で凶暴化する日本人を増やしている、「自己家畜化」という歪んだ進化_1
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抑圧されている人間にとって、匿名で世間に物申せるSNSは絶好のストレス解消ツールだ。不倫が発覚した芸能人を叩き、自分と意見が異なる相手は執拗に攻撃する。「それはマナー違反だ」「常識的に考えればありえない」「自分ならそうしない」と他者を見下して快感を得ることで、ようやく呼吸ができるようになる。そうした人があまりにも多すぎるのが現代日本だ。