いつの間にか増殖していた、シルバニアにすがる限界社会人
1985年の登場以来、世界各国で愛されているシルバニアファミリー。11月23日には、シルバニアファミリーの初となる映画『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』が公開されたばかり。
子ども向けかと思いきや、一部では「大人も泣ける」「疲れきった大人こそ見るべき」と話題になっている。公開初日の劇場には、先行販売された新商品“小さい赤ちゃんポップコーンズ”を熱心に吟味する大人の女性の姿も。
そんな中、SNSを中心に「シルバニアに救われてます」という大人が増加中。
「上司に理不尽な怒られ方をしているとき、ポケットに入っているシルバニアをギュッとにぎりしめて耐えた」「会社のデスクにシルバニアを置いて、癒やされながら仕事をしている」――。
ここ数年、かわいらしい画像とともにこんな悲痛な叫びの投稿が続出しているのだ。
愛くるしい顔、コロンとしたフォルム、独特の手触り。一点の曇りもない純粋無垢な存在が、汚れた世の中を生き抜く“限界社会人”を救っているらしい。
とはいえ、元来シルバニアファミリーは、小さな子どもを対象とした玩具だ。いい大人がおもちゃ屋さんにわざわざ足を運んでまで購入するのは気が引ける、という人も少なくない。
しかし、いまやヴィレッジヴァンガードのような雑貨屋でも取り扱うようになり、大人がシルバニアを入手するハードルはかなり下がっている。実際に、「“限界社会人の味方”的なポップがついていました。その言葉に背中を押されて、3体買いました」という声もあった。
あの小さな人形たちのどこにそんな引力があるのか。“シルバニア赤ちゃん連れ”を実践している人たちに、話を聞いてみた。