売掛金を規制する法規制は現状なし

実際、このような悪徳ホストを法によって取り締まることはできないのか。ホストやキャバクラなど風俗業界のトラブルに強いグラディアトル法律事務所の若林翔弁護士は、このような見解を示す。

「仮にマナミさんに、Rやその知人が直接的に風俗店や海外の風俗の出稼ぎ先を紹介していたとしたら、売春防止法違反(売春の周旋)や職業安定法違反(有害業務の紹介)に該当する可能性があります」

では、マナミさんが抱えているであろう莫大な売掛金に支払い義務はあるのか。若林弁護士は続ける。

「具体的な金額や、ホストとのやりとりの状況によっては、公序良俗に反するとして支払義務が否定される可能性もあります。その場合、マナミさん、ご両親としては、弁護士にホストクラブ側との交渉を依頼して、売掛に至った経緯やその総額、海外出稼ぎに関する斡旋行為の有無などを明確にする必要があると思います」

マナミさんはいつか目を覚ますときがくるのか
マナミさんはいつか目を覚ますときがくるのか

若林弁護士の元にもここ2、3年、ホストトラブルに関する相談は一定数あるという。しかし、売掛金を直接的に規制する法整備はまだない。

一刻も早く法整備がなされないと、今後も大山さん一家のように人生を、家庭を壊されてしまう人たちが後を絶たないだろう。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班

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