クリエイターはアプリ側と交渉しないと何も得られない
クリス・ニュービルは24歳。彼が子供だった頃、一家はニューメキシコのリオランチョとフロリダ州ルッツの間を行き来していた。多くのデジタルクリエイターのように、彼もユーチューブから始め、ティックトックを見出す前は、コメディ動画を投稿していた。
彼は今やしっかりとアプリの上層部にいる。ハードデータは存在しないが、1か月に1億から3億ビューというのは、アメリカにおけるトップ50のティックトッカーに入ると彼は思っている。
彼はアプリの女王ダミリオ姉妹の友人であり、ハイプハウスとスウェイLA両方のタレントとも付き合っていた。
つまり、彼にはコネがあった。そして彼は人気があった。
彼が美人で有名な友達とカメラの前に立ちコメディスキットやピエロを投稿するたび、ブロンドの、輝く白い歯をしたスターを700万の人々がフォローするのだった。
ニュービルはクリエイター基金のことを聞いた瞬間から、500万以上のフォロワーを現金化したいとその機会をずっと待ち望んできた。
「これは実行1日目か何かのようなものに違いない」と彼は私に言った。彼も、他の人たちも、自分たちとアプリ間の仕組みが不均衡に思えていささかフラストレーションを募らせ始めていた。
そしてヴァイン最大のスターたちが数年前に抱いていた心配がこだましてきた。「今すぐ、クリエイターたちはアプリ側と交渉しないと何も得られない」と彼は説明した。
しかし、ものごとは変わろうとしていること、資金援助はティックトックから来ていること、そしてティックトックこそ彼の才能を認め、彼がティックトックに何をもたらすかを知っていることを思って、ワクワクしていた。
10億ドルと聞くと大金に聞こえる。実際多額であるが、世界中の数億人のユーザーであることを踏まえると、それは少額とも言える。誰もがキャッシュを受ける資格があるわけではない。
まず18歳以上でなければならない。動画がある1か月の間に1万回以上見られ、1万人以上のフォロワーがいなければならない。
しかし、たとえばヨーロッパでは、ティックトックは数千人のうち数十人は、3年間で支出すると予測している3億ドルをシェアする機会があるはずだと予測している。
クリエイター基金への最初の入会手続きが最初の支払い日であり、たいていの人にとって昼食代にもならないとわかっても、おそらく驚かないだろう。