「値上げは夏まで続く」見通し

新年度が始まった4月。同時に値上げも始まった。

民間の調査会社「帝国データバンク」が国内の主な食品メーカー195社を対象におこなった調査によると、4月1日から値上げされる商品は4225品目にのぼり、値上げのピークを迎えた2023年10月以来、1年半ぶりに4000品目を超える結果となった。

対象となる商品で、最も多かったのは、みそやドレッシングなどの「調味料」で2034品目。次いで缶ビールや缶チューハイ、コーヒーなどの「酒類・飲料」が1222品目、ハムやソーセージ製品や冷凍食品などの「加工食品」が659品目となり、嗜好品や利用頻度の高い飲食料品が目立つ結果となった。

花見客でにぎわう東京・中野の公園で、会社の歓送迎会を開催していた50代会社員の男性は、

「4月から値上がりすると聞いていたので、3月末にみんなで急いで酒類を買い溜めしておきました。でも、つまみが足りないからさっき近くのスーパーでお菓子を買い足したんですが、内容量が減ったのか、中が空気ばっかでスカスカ(笑)。

アイスも高くて全部ハーゲンダッツに見えてきました(笑)。マクドナルドだって昔は100円でハンバーガーもコーヒーもそれぞれ買えたのに、今は500円ないと一人分でも満腹にならない。どこも値上がりしていてびっくりです」

と、苦笑いしながら話した。

調査会社によると、原材料の調達コストの増加に加え、人件費や物流費の上昇などが値上げの主な背景にあるという。すでに今年は9月までの値上げ公表分が累計1万1707品目と昨年の通年実績(1万2520品目)の9割超の水準に到達しており、最大2万品目になる可能性も。

昨年を猛スピードで上回る値上げラッシュはいったい、いつまで続くのか。

帝国データバンクによると、「人件費や物流費などのコスト増を要因とする値上げがトレンドで、少なくとも今夏にかけて断続的な値上げラッシュの発生が見込まれる」としている。

値上がりの対象となった缶チューハイなどの酒類(写真/読者提供)
値上がりの対象となった缶チューハイなどの酒類(写真/読者提供)