雀の涙ほどの金額に失望するクリエイター
何十人ものクリエイターは稼ぎを私に教えてくれたが、なかには懐疑的な人がおり、たいていの人は自信を失っていた。
彼らが期待していたのは大金だったが、その代わりに手に入れたのは1000ビューあたりほぼ3セントだった。
ティックトックの本物のスーパースターの一人、ニュービルはだいたいその半分の金額を得た。より人気がある彼の女友達さえ、1000ビューあたり平均1.2セントになると、彼は計算した。
初日、彼は調子がよくて、人々はニュービルの動画を380万回見た。それに対して、彼は60.22ドルを受け取った。なぜその数字がそんなに低く思えたのか、彼は合理的に考えようとした。
それはなぜかというと、彼の国際的ビュワーの大部分は、広告によってティックトックが通貨とすることができない人々が大部分だったせいだろうか? いやそれは違う。
彼は私に彼の実態的人口統計を見せてくれたが、彼の最大のベースはアメリカにあることが示されていた。彼は大いに失望した。
「1000ビューあたり1ペニーというのは屈辱的に思える」
数日後、彼と一緒にチェックインした。今や彼は決めかねていた。
「一方では、少なくともわれわれは何かを得ようとしている。しかし他方では、1000ビューあたり1ペニーというのは屈辱的に思える」と彼は言った。
これらのビューから彼が稼いだのは、月にして2000ドルから6000ドルだ。平均的なアメリカ人になら多いかもしれないが、彼はロサンゼルスに住み、まさに彼がそうであるトップのティックトッカーとしてのライフスタイルを維持していたのだ。
「これじゃあ、実際のところ、懸命に働きながら自分の視聴者を増やそうと努めている、平均的なクリエイターみたいだ。ティックトックのために時間を費やして、彼らのおかげでペニーが支払われるみたいだ」と彼は嘆いた。
ティックトックは2年間ずっと、クリエイターが安定した生活ができるようにすると言ってきたが、基金は状況を変えてくれなかった、と彼は嘆いた。
ヴァインの教訓から何かを学んだとはいえ、クリエイターがこれからも幸せでいられるために、ティックトックは報酬を調整する必要があるだろう。ただ、それを優先するのは難しいけれど。
文/クリス・ストークル・ウォーカー 翻訳/村山 寿美子 写真/shutterstock
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