課題は内蔵ファンによるノイズの発生

Dyson Zoneは非接触型シールドを装着した状態で身に着けると、見た目にかなりインパクトがあります。なので、空気清浄機としては「使う場所」を選ぶかもしれません。

筆者は、屋外の空気があまりきれいではなさそうな場所を歩くときや、自宅で掃除をしながらきれいな空気に触れたいとき、あるいは春になったら花粉症に悩まされる時期にDyson Zoneを積極的に使いたいと思いました。

なお、非接触型シールドは着脱可能なので、普段は「ピュアなサウンドが楽しめるワイヤレスヘッドフォン」として使うのが中心になりそうです。

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シールドを外したデザインは一般的なオーディオヘッドフォンに近いので、気軽に毎日のリスニングに使える

Dyson Zoneを使っているうちに、ひとつだけ課題が見えてきました。それは、静かな室内で空気清浄機能を使うと、本体に内蔵するファンの回転音が気になることです。ファンノイズは周囲にも聞こえてしまうため、周りに人がいる場所では、ファンの送風強度の調整は気に掛けたほうがよいでしょう。

静かなジャズやクラシック、ボーカルものの楽曲を聴いている最中は、ファンノイズが本体の振動として伝わってユーザー自身も気になってしまいます。もう少しファンノイズが気にならないように、今後何かしらの対策も求められそうです。

とはいえ、Dyson Zoneは自社の強みをふんだんに活かした非常に意欲的な製品であることは間違いありません。今後ますますユーザーに使いやすいヘッドフォンになることを期待したいと思います。


文・写真/山本敦