バランスの取れたピュアなサウンドが持ち味

次に、Dyson Zoneの音質をチェックしましょう。

近未来な見た目がインパクト大! 空気清浄機能がついたダイソン初のヘッドフォン「Dyson Zone」は何がすごいのか? オーディオライターが本気で検証してみた_5
Dyson Zoneのサウンドを、音楽配信のコンテンツでチェックした

さまざまな音源で試したところ、全体にバランスがフラットで、どの帯域の音も押し出しがとてもスムーズ。柔らかくて口当たりのよいミネラルウォーターのように、ピュアなサウンドを耳に届けてくれます。

たとえばヒラリー・ハーンのヴァイオリン独奏曲、ノラ・ジョーンズの静かなボーカル曲にとてもよくマッチしました。特に中高音域がとても滑らかで、音の輪郭をとてもきめ細かく描きます。

対して、低音は量感や力強さは十分にあるのですが、やや上品な印象を筆者は受けました。米津玄師の『KICK BACK』を聴くとボーカルの艶っぽさが心地よい一方、ベースやドラムスの低音はもう少し「ガツン」ときてほしい印象でした。

そんなときには、「MyDyson」アプリの「イコライザー」を活用しましょう。

低音域を強調する「ベースブースト」をオンにすると、エレキベースのグルーヴやリズムセクションがグンと前に押し出してきて、アップテンポなロックやジャズの楽曲が楽しく聴けました。アクション映画のサウンドにもよく合います。

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アプリの「イコライザー」機能を使うと、音のバランスを好みに合わせて変更できる

また、アクティブノイズキャンセリング機能の効果は非常に強力。カフェでは店内BGMや隣で話している人の声がシャットアウトされて、ガッツリと自分の世界に入り込めました。屋外では夏の蝉しぐれも聞こえなくなるほどです。

反対にトランスペアレンシー(外音取り込み)に切り換えると、周りの環境音がとても自然に聞こえます。屋外で歩きながら音楽を聴く際には、必ずトランスペアレンシーに切り換えましょう。ノイズキャンセリングは自動車の走行音が聞こえなくなるほど強力なので、ある意味、要注意です。