今さら出演をやめられない、自分の気持ちに蓋をした

ーーひどすぎます。

何よりひどいと思ったのが、避妊具を着けないまま彼の陰部を押し付けられて。その間もずっと抵抗はしています。本当にやめてほしかったので、ずっと抵抗をし続けたのですが……。「せめてゴムは」って言ったら、彼は「俺はゴムを着けてセックスしたことがない。それで子どももできたことがないから大丈夫だ」と言うんです。

その時点でおかしいんですよね。奥様もいらっしゃるし、お子様もいらっしゃるんですよ。なんとか避妊具は着けてくれたんですけど。私がずっと抵抗し続けたら萎えてしまったのか、そのままそっぽ向いて寝始めたので、私は朝までずっとどうしたらいいんだろう……とずっと眠れず、うずくまっていました。

朝、無理やり出て行ってもらったんですけれど、本当にその日が休演日でよかったなというぐらい、ずっとそこからレイプされたときのことが拭えない。フラッシュバックしますし、自分の体が汚いものだと思ってしまう。呪いにかけられたようにずっと苦しい日々が続いていました。

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ーーその後も劇団に所属したのはどうしてですか?

レイプされたとき、私はまだ客演なんですけれども、その前に、次の本公演の舞台に出演してくれとオファーを受けて、劇団員にならないかと誘われていたんです。それで次の公演のオファーはありがたいので受けようと思ってOKしちゃったんですよね。なのでレイプされたあと、今さら降りますとは言えないと思ってしまったんです。

それに自分の家がばれているので、いつ乗り込んで来られるかわからない。そもそもレイプされたときもすごく命の危険を感じていましたし、何か私が反論したら危害を加えられるんじゃないか、自分の家族にも危害が加えられるんじゃないかという恐怖で支配されてしまって。それでどうにか自分の気持ちに蓋をして、お芝居を続ける状態になっていました。

ーーほかの劇団員の人たちは助けてくれなかったんですか?

レイプされたことを相談したことはあります。そしたら「大内以外にもそういう被害にあってきたやつがいっぱいいるからな。それでみんな辞めてきたから」って軽い調子で言われたんです。すごく絶望しました。ああ、この劇団はみんなそうなんだ。知っていても見逃すんだと。そこから数年、誰にも相談はしませんでした。