敏腕トレーダーが占う、2023年「米国発・世界的株高」からの2024年「金融大暴落」“悪夢のシナリオ”
為替トレーダーとして30年以上、世界経済を見続けている岩永憲治氏は「史上最大規模の金融危機が2024年末前後に起こる」と予測する。2024年の秋の米大統領選前には世界株高でユーフォリア(多幸感)状態となり、そこからジェットコースターのように転落するという「悪夢のシナリオ」とは?
金融暴落「グレートリセット」に備えよ!
最初にクラッシュするのが中国ではない理由
戦争もあり、皆が疑心暗鬼のなかで、じわじわと賭場は拡大していく。最後に世界中がバブル相場に参加したところで、世界株高ユーフォリア状態が出来上がる。
おそらく株取引の出来高が史上最大規模、史上最高値になったとき、メディアが「これだけ出来高があっても、株価は下がらない」と大騒ぎしたときが崩壊への〝転換点〞だろう。
そしてその後、最初にクラッシュするのは米国の株式市場で、中国発とはならないはずだ。というのも、中国株は国内経済が疲弊しているがゆえに向こう2年間で米株以上の大幅な上昇が見込めないからだ。米国がつくったバブルを米国で潰す形となる。
米国経済がクラッシュするのはもう目に見えている。ただし、暴落するのは2022年、2023年ではない。基本的には2024年の第3四半期、大統領選挙に向けてのタイミングまでの上昇とそれ以降の下落を考えている。現職大統領が再任するためには、是が非でも選挙が終わるまでは株価を高値で維持しておく必要があるのだ。
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上図のチャート分析(図表1-1)で見ると、2016年のNYダウが六陽連(月足で6カ月連続の高値引け)を示現したところが、上昇相場にはずみがつく合図と なっている。
歴史的なサイクルから考えると、バブル生成の期間はおよそ10年。2009年の安値6500ドルからはすでに10年以上が経過し、価格も5倍を超えてきている。現時点でバブルのピークを迎えていてもおかしくないはずだ。それなのに、なぜ2024年まで株価が急進する可能性があるのか。後章でさらに解説していくことにする。
なお、2024年は、史上最大最後のバブルの頂点となり、最高値を打つのは極めて短時間、つまりあっという間に最高値から落ちてくるようロックオンされているのではないか。そのあたりの価格の動きも含めて、読者諸氏にお伝えしたい。
その100年に一度のバブルの崩壊が始まる2024年まで、残された時間はあと約1年、いよいよである。そしてこれから、その前段階のバブルの最後の吹き上げのステージが現在形成されつつある。
文/岩永憲治 写真/shutterstock
【世界大恐慌再び!?】2024年金融大暴落「グレートリセット」が、全世界にリーマン・ショックの10倍のショックをもたらす理由
2023年3月24日発売
1,870円(税込)
四六判/288ページ
ISBN:978-4-08-786139-6
もうすぐリーマン・ショック級の金融危機が起きる!?元敏腕トレーダーが近未来の経済危機を予測し、潮目の見方を指南!
リーマン・ショックから15年。コロナ禍やウクライナ戦争で世界の情勢も変わり、それまでのグローバル経済は立ち行かなくなった。最大の問題は世界的なインフレが止まらないこと!世界中にお金があふれ、生産地と消費地の間のいたるところでボトルネックが発生した結果だ。2022年からアメリカは金融を正常化しようとして急速な金利の引き上げを行っているが、その体制下で新たな金融危機が起こる可能性が飛躍的に高まっている。(2023年3月半ばにも、アメリカではIT系の投資に積極的だった3つの銀行が破綻し、米国財務省の即断の政策により金融危機が未然に防がれた。)
そんな予断を許さない情勢のなか【次なる史上最大の金融危機が2024年末前後に起こるであろう】と予測する。既に経済不況に突入したという意見もあるが、リーマン・ショック後の為替変動をいち早く予想した著者は、もう一度バブルの最後の吹き上げが起こり、2024年の大統領選の終わるころには米国経済においては株価が上がって景気も良くなったというユーフォリア状態に陥るという。そして誰もが予測もしなかった状況で反転し、最終的には1929年の大恐慌やリーマン・ショックを超える危機が来ると言う。
その兆候はいつ、どんな形で現れるのか?過去のバブルとその崩壊の歴史を紐解きつつ、トレーダー時代に培った「潮目の読み方」を披露する。自衛隊での訓練経験を持ち、外資系金融機関で様々なキャリアを経た著者は、独自の情報収集力に優れ、危機管理意識も卓越している。そんな著者が日本人の誰もがこれからの困難な時代に自分の金融資産を守り生き抜くために是非とも読んでほしいと、渾身の思いで書いたデビュー作である。