ついに日銀が動いた!
超低金利国・日本。その低金利の恩恵を受けているのが住宅ローンです。民間金融機関で住宅ローンを借りた場合、全期間固定金利なら0.9〜1.8%程度、変動金利なら0.3〜0.7%程度で借りられます。
しかし昨今、諸外国での金融引き締めの影響によって「住宅ローンの変動金利が急激に上がるのでは?」という心配がされているのも事実です。
そして12月20日、日銀は金融緩和を見直し、長期金利の上限を従来の0.25%程度から0.5%程度に変更するとしました。突然の発表に驚いた方も多いことでしょう。
今まさに変動金利でローンを借りている人は、どう対応したらよいのでしょうか。また、これから住宅を購入しようとしている人は、今購入しても本当に大丈夫?
複数物件を所有する不動産オーナーであり、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の風呂内亜矢さんにうかがいました。
「住宅ローンの変動金利が今すぐ急に上がる」…は嘘⁉
——欧米を中心に金利の引き上げが行われています。その影響で「住宅ローンの変動金利が大きく上がるのでは?」という声も聞きますが、それは本当なのでしょうか。
風呂内 難しいところですが、金利が急上昇する可能性はかなり低いと思います。金利を上げるべき局面では、国内で物価や給与などが上昇し、景気が過熱しているのが一般的です。しかし今の日本では、物価上昇は起きていても給与水準は上がらず、景気もよくありません。
また、日本は国債を多く発行しているので、その利回りが上がるのは好ましくないでしょう。今金利がすぐに大きく上げられてしまうた要素は少なく見えます(※)。
※2022年12月20日に行われた日銀の金融緩和見直しで、長期金利の変動幅が±0.25%から±0.5%に拡大。固定金利の住宅ローンについて新規借入金利が上がる可能性が出てきました。今回は長期金利のみの見直しのため、直近での変動金利の住宅ローン金利への影響は少ないと考えられます。
——ということは、変動金利の利用者はしばらく安心していてよいと…?
風呂内 そこまではいえないですね。そもそも変動金利は「変動する可能性が常にある仕組み」なので、金利変動リスクは否定できません。今は金利がどんどん上がっていくような可能性は低そうだけれど、絶対に上がらないとはいえないのです。
そのため「もし金利が上がったら返済できるのか」ということは下調べしておく必要があると思います。