2023年末は、米国発の世界株高ユーフォリア状態
私が声を大にして言いたいのは、2024年末までに米国発の史上最大、かつ最後のバブルが起き、その後崩壊するなら、世界中の人々が相当なお金を失ってしまうということである。そして、もうそれはかなり高い確率で決まっている、とさえ私は思っている。
なぜ米国では、国民経済の健全な発展に貢献するはずのFRBがそんなことを許すのかと聞かれても、私が用意する答えは一つしかない。そうしたい誰かの意思が強く働くからだ。
むろんその前段階には米国発の世界株高で市場がユーフォリア(多幸感)状態が昂進し、2023年末は世界中がハッピークリスマスを迎えるのだろう。そうした感覚を我々日本人も1989年末に経験させられた。日経平均株価は12月29日の大納会に3万8915円まで上がり、財界人や大手証券会社は翌1990年には5万円まで上昇することを予想していたし、10万円になると宣した強者もいた。
今回はそれが米国発で世界中の市場で起こるのだ。それゆえに読者諸氏が、そのバブル崩壊に巻き込まれないよう、本書で強く訴えているわけである。
私がいくら史上最大のバブル崩壊後に「危険だから買いはやめろ」と叫んでも、相場が下がればみんな買うのだろうが、せめて本書を読まれた方だけには、そうした難を逃れてほしいと思っている。
ウクライナであのような悲惨な戦争が起こっているなか、これだけ市中にお金が回っている。バブルにならない理由はむしろない。しかし、バブルは所詮バブルなのだ。米国がロシアーウクライナ戦争に絡むことにしたのも、お金を回すためだろう。戦費を稼ぎ、バブルを起こしてマネーを確保する必要があった。
ウクライナが各国に武器支援を求め、それに呼応して多くの国が支援を実施する。各国の在庫が一掃されれば、新たに補充がなされる。軍事費が年々引き上げられている現状では、軍需産業へ長期的にも利益がもたらされることになる。
「死の商人」という言葉はもはや使い古された言葉なのかもしれないが、世界の主要武器輸出国のうちで最大のシェアを占めているのは米国で、それは4割にものぼる。