認知症になると抑えていた感情がむき出しになる

N子さんは自身がジジ活をする理由をこう説明する。

「私はTさんの妻でも彼女でもない。すごく頻繁に連絡を取るわけでもありません。それでも会えば、Tさんにとってその時間があったかくてとても楽しいものなるように接しています。
介護の仕事をしていて知ったのですが、認知症になると、健常だった時に抑圧していた怒りや悲しみ、嫉妬、そして時には性欲といった様々な感情や行動がむき出しになることがよくあるんです」

「高齢パパ活は私にとって福祉の延長」現役介護士のジジ活女子(43歳)が、ホテルデートもする78歳の男性にされた意外なお願いとは_3
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N子さんが見てきたなかでは、おしどり夫婦と思われていた妻が認知症になってからは、「おじいちゃん以外の男性とデートしたかったな。若い子とオシャレして出かけたかったな」と常に言っていた女性がいたかと思えば、模範的な良妻賢母で礼儀正しくて上品な奥様が認知症になった途端、男性にセクハラじみた行為をするケースもあったという。

「介護の教科書には『感情が易怒的(過剰に怒りやすい)になる』と書いてあり、人ぞれぞれ異なった感情が出やすくなると教えられるんです。でも、実際に晩年の方々と接していると、若いときに抑えていたものが出てくるのだなと感じるんですよね。
中でも性については蓋をしている方が多い。でも、幸せと性の問題って切り離せないじゃないですか。だから、そういう年齢になった男性が私と過ごしたことで活力を得て日常が楽しくなったり、がんばれるなら私はそれに応じたい。高齢パパ活は私にとって福祉の延長線上にあるんです」

「お互いいい年をして……」「お金の関係なんて……」。
そういう見方も決して否定できない。それでもN子さんはその人のためと信じて、これからも“ジジ活”を続けていく。

取材・文/中山美里
集英社オンライン編集部ニュース班

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