日本は公務員が少なすぎる?
北欧社会などでは、育児や介護といったケアサービスのほとんどは、公的機関によって提供されています。当然、負担は各家庭から支払うわけではなく、税金や社会保険料として政府が徴収したお金を使って、政府はケアワーカーを雇用したりしています。
つまり、公務員を増やしたということです。
北欧社会は、これにより女性の多くが公務員のケアワーカーとして働いています。また、これについては「性別職域分離」の問題もあり、欠点がないわけではありませんが、一つの選択肢だと思います。
日本だと「公務員を増やすなんてバカげている!」「公務員はもっと減らしていい!」と思われるかもしれませんが、すでに日本の公務員の数の割合は同レベルの経済水準の国に比べて最低レベルです。
さらには、「税金や保険料負担が増えるのは嫌だ!」という方が多いので、反対されることは目に見えています。その結果、日本は現状維持という選択を選ぶことが多いですね。しかし、選択しないということもまた、現状維持を選択するということでもあります。
「フルタイムの共働き世帯」が増えていないこと、日本が突出して妻と夫の「家事・育児時間の差」が大きいという2つの数字が女性が働きにくい社会だということを表していると考えられます。そして、韓国を真似したようなバラマキ型の子育て支援より、ここを改善することが少子化対策にも繋がるのではないでしょうか。
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取材・文/井上ヨウスケ