子育て政策でフォローすべきは高齢者と商売人
ひろゆき いきなりですが、児童手当って、市の権限で勝手に止められるものなんですか?
泉 厚生労働省に掛け合いました。最初は「児童手当を止めるのはやりすぎです」って反対されて。それでも粘ったら、「銀行振り込みを現金手渡しにすることは可能です」と。だから、子どもと一緒に来てくれたら渡しますっていうルールにしたんです。
ひろゆき オムツ定期便もそうですけど、表向きの政策の見えないところに「子どもを守る」っていう本当の目的があって、そのつくり方が非常にうまいですよね。
泉 それは本当に大きなポイントで、やっぱり表向きの見せ方が大事なんですよ。子育て政策っていう大枠で言うと、「この政策をやることで、あなたも美味しい思いをします」って言わないと、子育て層以外の人たちに応援してもらえないから。
ひろゆき そのあたりは少し気になっていました。子育て政策をするにあたっては、やっぱり高齢者とか、子どもを持たない家庭の人とかで、「子どもばっかり優遇して」って怒る人もいるじゃないですか。そういうのはどうクリアしていったんですか?
泉 やっぱり最初は、高齢者と商売系の方の反発が激しかったですね。高齢者からは「わしらの金を減らして子どもを優遇するんか」、商売されている方からは「この不景気で子どもを応援する余裕はない」って言われて。特に高齢者は声も大きいし、街の雰囲気をつくる存在なので、気を遣いました。
ひろゆき 今の時代、高齢者を敵に回すと普通なら勝てないと思うんですが、よくこれだけの子育て政策が実現できましたよね。