流行の教育も国語力がなければ意味がない
日本の子供たちの国語力が脆弱なものになっているという声は、いくつもの教育現場で上がっています。現在の学校教育では、小学生の早い段階から外国語やプログラミングの授業などが行われています。SDGs教育も盛んです。もう少し上になると金融教育、起業家精神教育なども入ってきます。
しかし、それらの教育は、国語力という基礎がついてからはじめて行うべきものではないでしょうか。
国語力とは読解力だけを意味するものではありません。語彙をベースにして、情緒力、想像力、論理的思考力、表現力を結合させた総合的な力です。数学者の藤原正彦さんが「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下」と語っているように、すべては国語の力があってこそです。
多くの教育者が懸念しているのは、家庭格差、ライフスタイルの変化、ネット社会への移行などで、こうした国語力がきちんと育めていないのに、新しい教育を次々とやらせていることなのです。