卒業後は快適に虫採りができるように東大大学院を選択
――ニュージーランドで出会った昆虫学者から聞いた新種の話と、海外での虫採りおもしろさとは。
ニュージーランドに約7カ月滞在し、昆虫学者と出会い、そこで新種の昆虫について教えてもらいました。「新種の昆虫自体は世界にたくさんいるが、まだ人類が見つけていないものを新種というんだ」と。それを聞いて、誰も行ったことがない場所、やったことがない捕まえ方をすれば、新しい昆虫を発見する可能性が増えるとわかりました。
ニュージーランドにいる間に協同で研究を行い、新種の昆虫を見つけて論文を書きました。今でも海外へ虫採りに行く理由は、日本にいないものを求めてです。虫採りに限らず、物事ってわからないことが多い、始めたてが一番楽しいものです。
日本で10年以上虫採りをしていると新鮮さは減ってきます。しかし、海外では名前もわからなければ、何の仲間かすらもわからない虫ばかり。「これって何だろう?」の連続で、それが楽しいんです。
――東京大学大学院への進学はやはり虫採りのため。虫を追求する牧田さんとご両親の関係はいかに?
北海道大学を卒業し、今は東京大学大学院の博士課程に在籍中です。北海道はいいところでしたが、虫採りで世界各地へ行くにはアクセスが悪いんです。そこで利便性の高い東京にある、東大大学院へ進学することにしました。今は昆虫が地球環境の変化にどう適応していくのか、また適応できない場合はどう変化するのかを研究しています。
両親は進学するなら東大大学院がいいと言っていましたが、今も相変わらず昆虫中心の日々なので「この子本当に大丈夫かな?」と心配しているはずです。小さい頃から好きなことをさせてもらっているので、心配しつつも応援してくれていると思っています。