北海道で虫採りがしたいと北海道大学へ。
しかし、虫採りに熱中するあまり…

――高校時代には多くの赤点を取り、お母さんが学校に呼び出されることもあったという牧田さん。勉強をしなかった牧田さんが北海道大学に入学できたワケは?

赤点を取って怒られても勉強をしなかったのですが、高校1年の時に旅行で行った北海道で珍しいカミキリムシを捕まえたんです。それでもっと北海道で虫を採りたいと思い、北海道大学への進学を目標にしました。

入試問題を見て、高校2年の終わりくらいから本気を出せば何とかなるかもと思っていて。でも、3年になっても赤点を取る状態は一向に変わらず……。赤点でも追試で合格すればいいんだしと、都合よく考えるところもあって、授業中は虫ばかりを触っていました。とはいえ、受験勉強はしました。北海道で虫が採りたい一心で。時期的にはギリギリでしたが、苦手な科目を得意な英語や数学でカバーしてという感じでしたね。

先生からは、「受かる確率が低いからやめた方がいい」「別の学校にした方がいい」と言われましたが、自分では受験科目の点数の取り方を計算して、絶対に行けると思っていました。そしたら、試験当日、運よく数学と英語がよくできたんです。

生物に至ってはクワガタをはじめとする昆虫の問題が続出! 試験終了後、自己採点をしてこれは絶対受かったと。
この時は「本当に虫に生かされているな」と思いましたね。

採集総数2万点以上! ガチで虫を採り続ける北大卒イケメン昆虫ハンター。「学歴は自分が好きなことをやる上で便利なもの」_2

――入学後、山で虫採りをしていたら履修登録もままならず留年。それなら好きなことをやろうと決めて。

高校時代に大学生になったら、勉強しなくてもいいと聞いてそれを鵜呑みにしていました。なので、きちんと履修登録もしない状態で、授業にも行かずに山で虫採りをしていたら留年が決まりました。ここで一旦ステイになったなと。

そこで考え方を変えて、フィリピンへ行って語学を学びながら虫採りをすることにしました。この時は高校で勉強した英語が生きました。受験英語は使えないと言いますが、そんなことはないですね。
そして、この留学でこれまで自分が日本という狭いところだけでしか生きてこなかったことを実感し、もっと様々な場所で、多様な文化に触れ合いたいと思うように。その後、ワーキングホリデーでニュージーランドへ行くと、そこで新しい出会いがあったのです。