ビスブラを食べ物に例えたら

「賞レースで勝つコント」と「面白いコント」は何が違うのか? かが屋・加賀が「面白すぎて死ぬかと思った」と語ったあるトリオのコントとは_2

加賀 ビスブラ(ビスケットブラザーズ)は何だと思う?

賀屋 めちゃくちゃなデカ盛りを出してくれる町中華。

加賀 なんか違うな。

賀屋 創作系料理か。めちゃめちゃ創作してくるもんな。

——逆に一般の人にどんどんわかりにくくなってきているような……。

加賀 キングオブコント用のネタを作れる人なんて、そういないと思うんですよ。でも、あえて挙げるなら、ビスブラさんは、それがめちゃくちゃ上手な気がしますね。あの人たち、すごく細かいんですよ。叩いて、叩いて、叩いて、どんなにウケていても「まだ詰め切れてない」って磨き続ける。

——ビスケットブラザーズは何年か前から、このコンビはいったいいつ世に出てくるんだろうという大物感がありましたよね。

加賀 最初からおもしろかったですもん。どのネタも。ぶっ飛んでるように見えて、すっごい繊細なんです。独特な筆跡だけど、めちゃくちゃきれいな字だね、みたいな。

「賞レースで勝つコント」と「面白いコント」は何が違うのか? かが屋・加賀が「面白すぎて死ぬかと思った」と語ったあるトリオのコントとは_3

——去年のキングオブコントの1本目のネタなんて、きんさんが野犬で襲われているところに、セーラー服にブリーフ姿のヒーローがやってきて、謎のスティックを振り回して「きらきらりん」と言いながら退治するという……。あの設定で、めちゃくちゃにならないというのは、そういうことなんでしょうね。

加賀 ネタ作りを担当している原田(泰雅)さんは、1、2回戦で負け続けていた頃から、キングオブコントの常連だったさらば青春の光の森田(哲矢)さんに「俺はあの舞台で、あんたと戦いたいんだ」って言っていたんです。真顔で。

賀屋 すごいんですよ、気合いの入り方が。『キングダム』(中国の春秋戦国時代を舞台にした武将ものの漫画)に出てくる人みたいな。

加賀 ほんまにそう。

賀屋 顔とかも。