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「どぶろっくさんのネタで落ち込んだ」

初出場時は“どぶろっくショック”。表情ひとつにこだわる職人・かが屋がキングオブコント用にネタを作らない理由_1
かが屋。マセキ芸能社所属。2015年結成。コンビ名は加賀翔(右)と賀屋壮也(左)の名字を合わせたもの
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——今回、3番手で登場したかが屋が披露したのは『SとM』というネタでした。傍目から見たらアブノーマルな人たちなのかもしれませんが、Sの人はSなりに、Mの人はMなりに、ただひたむきに幸せを求めている。それが切なくもあり、おかしくもある、かが屋らしいリアルな人間を浮かび上がらせたコントでした。ただ、得点は計466点で、その時点でトップだったネルソンズに次ぐ2位でした。率直なところ、どう思いましたか。

加賀 よかったー、って。

賀屋 点数高いですもん。

加賀 前回、初出場のときは446点だったんです。20点も上がってる。

——初出場したのは、どぶろっくが優勝した年、2019年でしたよね。

加賀 あのとき僕らは7番手で、どぶろっくさんの次の出番だったんです。どぶろっくさんがウケ過ぎて、もう、そこが完全にピークで。頭を抱えましたね。絶対、無理だって。

初出場時は“どぶろっくショック”。表情ひとつにこだわる職人・かが屋がキングオブコント用にネタを作らない理由_2

——キングオブコント史上、もっともやりにくかった順番と言っていいかもしれませんね。どぶろっくのインパクトが強過ぎて、かが屋さんのネタがなかなか頭に入ってこなかったのを覚えています。でも、今回、改めてあの年のネタも見返してみて、こんなにおもしろいコントだったのかと。出だし、最高ですよね。閉店間際の喫茶店で、賀屋さんがどでかいバラの花束を抱えて、呆然としているシーン。魂の抜け殻のような表情で。

加賀 気に入ってはいたんですけどね。

賀屋 顔的には、つくりやすかったんですよ。どぶろっくのネタで落ち込んで。コント自体も落ち込んでいる顔スタートだったので。

加賀 どぶろっくさんの点数を見たときのショック過ぎる顔のままいけたからな。