順当な日本テレビ、驚きのTBS。
しかし演出方法としてクイズは曲がり角?
局による番組数の違いも気になったところである。結果をご覧いただいてわかるとおり、日本テレビとTBSは比較的多く、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京は少ない。
伝統的に視聴者を繋ぎ止めるために色々な手段を駆使する日本テレビが多いのは予想どおりかもしれない。むしろそれ以上にTBSがクイズを使っていることに驚いた。
逆にテレビ東京が少ないのもわかる。そもそも情報番組やニュースショーでクイズが出されるのは基本明るい場面で、深刻なニュースや経済情報などのシチュエーションでは出しにくい。経済ニュースがメインのテレビ東京はクイズを出せる場面自体が限られるのだろう。
しかし、フジテレビとテレビ朝日の少なさは意外である。両局ともクイズ番組自体は多いからだ(特にフジは平日のゴールデンはほぼクイズ番組)。このあたり、各局なりのカラーが出てきているのかもしれない。
基本的にクイズ番組以外でのクイズというのは、情報の伝え方に変化をつけるために行われる。オンライン授業でずっと先生が喋っているだけだとだれるので、時折生徒に質問を投げかけるような感じである。だからこそ、視聴者の注意を引くためにテレビでも相応の頻度で使われてきたわけだ。
しかし、5局中3局がほとんど使っていないということからすると、もしかしたらテレビ演出手法としては、少し曲がり角にきているのかもしれない。なくなりはしないだろうが、減っていく可能性はありそうだ。色々気づきのあった面白いテーマなので、今後も機会があれば定点観測していきたいと思う。
それにしてもこの検証は大変だった。基本的に朝・昼・夕方の情報番組は同じ話題を1時間おきくらいに繰り返すので、長崎県議会議員が酔っ払って列車内で懸垂する動画を合計50回くらい見る羽目になった。
一生分見たので、もうあの動画は私に見せないでほしい。
文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太