東京から沖縄へ里帰り移住、人生が一変
広大な空から照り付ける太陽に、どこまでも広がるエメラルドグリーンの海。
大自然に囲まれた沖縄県内で、今春小学生になる娘と妻の3人で暮らしているのが、元大手人材派遣会社社員のタカさん(仮名、32歳)だ。
日焼けなのか、少し焦げた小麦色の肌からは沖縄での充実した生活感が伺えた。
「来月から新しい会社への転職が決まっているんですが、それまではしばしのお休み期間として、ハンモックに揺られながら本を読んだり映画を見たり、それこそ沖縄の海辺をお散歩したりして気ままに過ごしてます」(タカさん、以下同)
今ではすっかり沖縄ライフを堪能しているように見えるタカさんだが、6年前に東京から移住し、娘が誕生。目まぐるしく変わるライフステージの中で、2年ほど「うつ病」の症状に悩まされていたという。
タカさんが2歳下の妻と出会ったのは東京都内の大学だった。社会人になって交際を始め、交際3年目でプロポーズ。直後に妻の妊娠が発覚した。
どちらも地方から上京してきた身で、東京での子育てはあまりイメージが湧かなかった。2人で話し合った結果、妻の故郷の沖縄へ里帰り移住を決めた。
そこからタカさんの人生は大きく変わった。
「仕事も辞めて、沖縄で一から転職活動を始めました。しばらくは妻の両親の家で同居させてもらって、その後すぐ娘が誕生し入籍。3人で住める家を探し、車も買いました。
そもそも土地名すらまともに読めない沖縄の生活に慣れることに必死でしたが、それに加え、仕事も家庭での役割も全てが変わったんです。最初は『ちょっときついけど妻は嬉しそうだし、まあいっか』程度に思っていたんですが、今振り返ると、すでにうつになる土台はできあがっていたように感じます」