「東大側は、今に至るまでほぼ無視です」
この問題は週刊文春が3月、「東大皮膚科カリスマ教授がむさぼった1500万円“違法エロ接待”」として報じて口火を切り、教授らが共同研究者の引地氏に銀座の高級クラブやフレンチレストランでの酒食饗応、さらには「できればテクニシャン希望」などとソープランドでの接待を強要したという噴飯モノのたかり行為を繰り返していたという疑惑だ。
医療界では“常識”なのかもしれないが、一般人の感覚からするとにわかに信じ難いタカりに加え、教授らは金品を恐喝しようと「殺すぞ」などと暴言を繰り返したという。事実だとすれば、単なる贈収賄事件ではなく捜査1課が担当する強行犯事件だ。
この日の記者会見で配布された訴状によると、訴えられたのは東京大学大学院皮膚科学教授のX被告と特任准教授のY被告。公益通報を受けながら聞き取り調査すらしなかった大学当局についても被告に加えている。
暴行や恐喝については捜査を待たなければいけないが、接待については週刊文春なども報じているように証拠写真が数多く存在する。引地代表は提訴に至った経緯について、会見でこう述べた。
「これまで弁護士を伴って東大の本部法務課に出向いて嘆願もしてきましたが、全て無視され、課長や係長は名刺交換すらしてくれませんでした。昨年12月に東大側の弁護士が代わったので少しは話を聞いてくれるかなと期待しましたが、今に至るまでほぼ無視です。今日の提訴を迎えての感情としては、今まで暗闇だったところに少し光が差したかなという感情です」