日本人はインスリンが出にくいタイプが多い
朝食をとる人ととらない人では、1日の総摂取カロリーは前者のほうが多くなりそうです。でも、面白いことに、朝食をとったほうが糖尿病や肥満が少なくなるというエビデンスがあります。朝食をとったほうが、肝機能も改善することがわかっています。
私たちが食事をとると、インスリンが分泌され、血糖値の上昇をほどほどに抑えてくれます。そのときに、一度に食べる量が多ければインスリンもたくさん必要になります。
しかし、日本人はインスリンが出にくいタイプが多く、大量に食べるとインスリンの分泌が間に合わず、糖尿病にかかりやすくなるのです。
朝食を抜けば、昼にドカンと食べることになり、結果的に糖尿病のリスクが増します。
また、JPHCスタディで、朝食を抜くことと脳卒中や虚血性心疾患との関連を調べた研究では、1週間あたりの朝食摂取回数が少ないと脳出血のリスクが高くなることがわかりました。
もちろん、朝食の時間をしっかり確保しているような人は、そうでない人に比べて、そもそも健康意識が高く、普段からバランス良く食べているということもあるでしょうし、3食しっかり食べないと、必要な栄養素がとれないということもあるのかもしれません。
塩分摂取量が多くコレステロールが少ない人は血管がもろく脳出血を起こしやすいので、朝から適切な量のタンパク質などをとったほうがいいでしょう。
朝食には、タンパク質と炭水化物をとると、栄養素的にも腹持ちの点でもいいのではないかと思います。
時間がなくてとにかく手軽に済ませたいという人は、卵かけご飯や納豆ご飯を選んではどうでしょう。
レンジでチンしたご飯(もちろんパックご飯でもかまいません)に生卵や納豆をかけるだけなら、たいした時間は要しません。なお、そのときの醤油は少量垂らす程度にとどめてください。
こうして朝食をとることで、体内リズムがつくれるのも健康に寄与します。