入試の公平性を担保できない重大トラブルが多数発生

あらためて、テスト前後の主な出来事を時系列で整理すると以下のようになる。

2022年11月26日以前:英語スピーキングテストの都立高校入試活用に反対する各団体が繰り返し記者会見を開き、問題点を具体的に説明。
(例)2022年4月12日「都立高校入試への英語スピーキングテスト導入の中止を求める記者会見」2022年10月19日 「ESAT-Jの都立高校入試利用中止を要望する会見」 等多数

2022年11月27日:東京都の公立中学3年生を対象に英語スピーキングテストを実施。トラブル(前半組から後半組への音漏れ、隣席の音漏れ、等)が続出したため、終了直後からSNSには受験した中学3年生による不満の声が溢れる。

*詳細はTwitterのハッシュタグ「#ESATJ1127」で確認可能

2022年12月5日:各反対団体(都議会 議員連盟、保護者の会、入試改革を考える会 等)が関係者(受験生、保護者、試験監督、教師 等)向けに記者会見を実施。試験当日の実施状況調査を発表した。
試験のわずか8日後にもかかわらず、受験生本人を中心にのべ500件以上の声が集まり、入試の公平性を担保できない重大トラブルが多数発生したことがデータでも明らかになった。

*実施状況調査の詳細は会見に現地参加した筆者がtheletter「犬飼淳のニュースレター」で公開した「【現場リポート】ESAT-J実施状況調査の報告記者会見」(2022年12月6日)参照

「隣の教室の声がダダ漏れ」「不公平だ!」と受験生が大ブーイング。試験監督が実名告発する「英語スピーキングテスト」による東京都とベネッセの“入試破壊”_3
12月5日に各反対団体(都議会 議員連盟、保護者の会、入試改革を考える会 等)が行った記者会見

2022年12月9日:入試改革を考える会が特に試験監督者観点での問題を記者会見で発表。試験監督を務めた本人が実名顔出しで当日の運営の杜撰さを告発した。

*詳細は会見に現地参加した筆者がtheletter「犬飼淳のニュースレター」で公開した「試験監督者本人がESAT-J運営の衝撃的実態を暴露」(2022年12月10日)参照