2023年度入試から、小学校受験の様相が変わる?
――コロナ禍での3度目の小学校受験シーズンがやってきました。一昨年、昨年と比べて、今年の動向はどのような印象を受けますか?
「今年に関わらず、ここ最近の傾向ではありますが、『ブランド校=伝統校』という方程式が必ずしも当てはまるわけではないことを感じています。
伝統校ではなくとも英語教育に力を入れていたり、特徴的な教育プログラムを取り入れていたりする学校が注目されるようになってきました。都内だと、東京農業大学稲花小学校や立川国際中等教育学校附属小学校などが代表例ですね。
保護者が、ブランドではなくカリキュラムを見て学校を決めるようになってきたということです」
【関連記事】
倍率31倍。「立川国際附属小」に受かった子は、いったい何が違ったのか?
――どのような教育を受けさせたいかで決めるのが当たり前になってきたのですね。そういった中で、今年の小学校入試の難易度が上がる可能性があるとお聞きしました。
「正確には、『以前の難易度に戻る』と言うべきでしょう。
実はコロナ禍の2年間は、それ以前に比べて全体的に入試内容がかなり易しくなっていました。これは、学校側がコロナ禍で子どもたちが十分な受験対策ができないことを考慮したためです。
しかし、試験を易しくした結果、子どもたちの実力を正確に測ることができなかったという課題を感じた学校も多かったようです。
そこで、『Withコロナ』と言われるように学校や社会が以前のような活動を取り戻しつつある今、少しずつ以前の難易度に戻していこうとなっているわけです」