【30年】アネット・ベニング&ウォーレン・ベイティ
続いて大スター同士の年の差カップル。デビュー以来、ナタリー・ウッドやジュリー・クリスティら多くの女性と浮名を流したウォーレン。伝説的プレイボーイのハートを射止めたのが『バグジー』(1991)で共演したアネットだった。
自身の相手役を自らオーディションする特権を持っていたウォーレン(主演とプロデュースを兼任)は、アネットをランチに誘い、映画について話し合った。彼女を気に入ったウォーレンはすぐにバリー・レビンソン監督に「ヒロインを決めたよ。彼女と結婚する」と宣言。
しかし撮影初日には、21歳年下のアネットに対し「撮影中、君を口説いたりは絶対にしない」と誓ったという逸話もある。恋の百戦錬磨であるウォーレンの意外な紳士ぶりに、アネットが惹かれたのも無理はない?
実際は撮影が終盤に近づいたある夜に2人で食事に行き、そのまま彼の自宅へ。台所で話しているときにウォーレンが「僕の子供を産みたい?」と尋ね、そこから交際が始まったことを、2017年に夫婦で出席したイベントでアネットが暴露した。
大胆なお誘いが効果を発揮するのも、プレイボーイならでは。アネットは、前の夫との離婚が成立し、ウォーレンと結婚したときには長男スティーブン(誕生時はキャサリン。のちに性転換した)をみごもっていた。
女優として脂がのり始めたアネットのキャリアを優先したウォーレンは、ハリウッドから距離を置き、育児に専念。男女平等が当たり前のアメリカでも、当時は珍しいケースだっただろう。
2016年に『ハリウッド・スキャンダル』の監督と主演で映画界復帰した際も、ウォーレンは「最優先事項は家族」と言い切っていて、夫婦円満の秘訣はその辺りにあるようだ。
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文/山縣みどり