万々が一に備えての防御を想定して
ここで誤解なきようにはっきりお断りしておくが、僕が車の中に常備している一脚は、あくまでも写真撮影用だ。
車中泊の旅にいろいろなカメラを持っていくことを楽しみとしているが、マニュアルで撮影するとき、シャッタースピードが遅くなる夜だと必ず手ブレするので、支えとなる一脚は必携品なのだ。
それに一脚は自撮り棒としても使えるので、一人旅にはもってこいなのである。
日本ではたとえ護身用だとしても、相手を傷つける可能性がある物を準備・携行していると罪に問われることがある。
だからこの一脚は100%写真撮影用で、もしも万々が一にヤバいやつの襲撃にあったら、これで対応すればいいと頭の中で想定しているだけだ。
その前提のもと読んでもらいたいのだが、僕の持っている一脚は3段階伸縮式で、このうち2段だけを伸ばすと、慣れ親しんだ三尺九寸の竹刀とほぼ同じ長さになる。
実は僕は剣道四段で、腕には少しだけ自信があるのだ。
でも、いくらサイコキラーだとしても、ほとんど鉄パイプのような硬さの一脚で、むやみに面や突きを食らわすことはできない。
致命傷を負わせてしまい、過剰防衛になる可能性もあるからだ。
だから、ナイフを持っている右手首に、得意の出ばな小手を一発。そして、ひるんだところにすかさず胴打ちをかます。
しぶといヤツだったらもう一発、逆胴もお見舞いしよう。
するとヤツは痛くてうずくまるはずだから、そのスキに走って逃げて助けを呼ぶのだ。
日々稽古を積んでいるので、とっさにそのくらいのことはできる気がする。
サイコキラー氏が剣道五段以上でなければだが。
なーんて、まあ治安のいいこの日本では、そんなこと99.9%起こらないと思っているが、こうして念のため想定しているだけで、少しは安心して寝られるのである。
10月なかばに5泊6日の予定で出た今回の車中泊の旅、4日目は岐阜県中部・郡上市の道の駅で朝を迎えた。