ライバルの家族が続々と「大谷マニア」に
全米を熱狂の渦に――。この表現もエンゼルス・大谷の場合は誇大広告ではない。46本塁打&9勝で満票でア・リーグMVPを獲得した昨季から状況は一変した。今や「FACE OF MAJOR LEAGUE(メジャーリーグの顔)」と称され、野球ファンだけでなく、子どもたちや野球に興味のない人々の関心も集めている。
興味深いのは、ライバル選手の家族までもが大谷の魅力にとりつかれていることだ。8月13日のツインズ戦。4万3027人の観客で沸き立つ中、大谷の26号ソロに誰よりも歓喜したのは、今季ツインズに3年1億530万ドル(約141億円)で加入した主砲コレアの実妹で「大谷の大大大ファン」というレイバイサンドさんだった。
この日が14歳の誕生日で、兄の計らいで大谷とサプライズで対面を果たしたレイバイサンドさん。持参した背番号17のユニホームにサインをもらい、記念撮影に収まると、大粒の涙を流して喜んだという。初回に自らも先制ソロを放っていたコレアは、試合こそ敗れたが「僕は彼女のために打ったし、大谷も本塁打を打った。彼女にとって完璧な一日だった」と満足げ。最愛の妹に贈る最高のダブルバースデーアーチとなった。
元々、K-POPや韓国ドラマが好きなレイバイサンドさんは「大谷好き」が高じて日本語を学び始め、大谷には「初めまして」などと日本語で挨拶。大谷も大きく頷いていたという。コレアは「彼はスポーツ界最大のスター。時間を割いてくれて、本当に感謝している」と頭を下げ、「100%、僕のより大谷の本塁打の方がうれしかっただろうね」と終始、笑顔だった。