インターハイ準優勝で「古豪復活」
この夏、インターハイのサッカー男子で帝京高校が準優勝した。過去3度優勝を飾ったおなじみのカナリア色のユニホームには、選手権優勝(6度)を合わせた全国制覇の回数を表す9個の星がついている。
しばらく遠ざかっていた全国大会の舞台だったが、昨年のインターハイで11年ぶりに出場をはたし、今回は決勝まで勝ち上がって、「古豪復活」を印象付けた。
1回戦で大分鶴崎に7−2で大勝すると、翌日の2回戦では昨年優勝の青森山田に2−1で逆転勝利。3回戦は丸岡(福井)から後半のアディショナルタイムに決勝点を奪い、3−2で8強入り。
準々決勝で岡山学芸館を4−2で下し、準決勝は昌平(埼玉)に1-−0で勝利。帝京最後の全国制覇となった2002年茨城インターハイ以来、20年ぶりの進出となった決勝戦では、前橋育英(群馬)に惜しくも0−1で敗れた。
大会をOBとして観戦し、Jリーグの名古屋グランパスなどで活躍した森山泰行さん(53)に、母校の戦いぶりを振り返ってもらった。
――11年ぶりの全国大会となった昨年は1回戦でPK負けでしたが、今年は快勝でした。
どんなチームも大会の初戦は難しいものですが、あれで大会にうまく入っていけた。久しぶりの全国大会での勝利ですから、あれでプレッシャーから解放された面はあったかもしれません。でも昨年、1回戦で負けた米子北は決勝まで行ったんですよ。だから帝京も力をつけてきたとは思っていました。
――そして、連覇を狙っていた青森山田には0−1で折り返して、後半に逆転しました。
最初から自分たちのサッカーができるという雰囲気があったんですけど、先に点を取られちゃいましたね。青森山田はパワーがあって、ロングスローという武器もありますが、帝京はずっとボールをつないで、何よりもモチベーションが高いのが見えていた。次の1点がポイントだなと思っていたんですが、同点に追いついた攻撃が素晴らしかった。
逆サイドを展開しながらクロスまでいって、ニアサイドの一人が相手を釣ったような状況で、ドリブラーの松本(琉雅)がヘディングシュートを決めた。青森山田と対等にできて、勝ち切ったことは自信になったでしょう。トーナメントを勝ち上がるには、うまいだけでなく勝負勘が必要ですが、こうした経験を積むことでチームは勝ち方を覚えていくんです。