「矢沢さんにボクのオリジナル曲を書いて欲しい」
1977年にリリースされた西城秀樹のカバー・アルバム『ロックンロール・ミュージック』の最後を飾ったのは、矢沢永吉の『恋の列車はリバプール発』だった。矢沢のデビュー・アルバム『I LOVE YOU, OK』に収録された楽曲である。
西城秀樹が、キャロルや矢沢永吉に強く惹かれた理由のひとつには、初期のビートルズに影響を受けて育ったという、お互いの共通項があったと考えられる。西城秀樹はこの曲を自身のライブで何度も取り上げていた。
ところで二人が初めて顔を合わせたのは、キャロルが毎週木曜日にレギュラー出演していた、夕方のテレビ番組『ぎんざNOW!』だった。
そのことが女性誌『セブンティーン』(1978年)に掲載された、矢沢永吉の取材記事に記されていた。当時の矢沢は資生堂のCMキャンペーンとタイアップした『時間よ止まれ』が大ヒット中で、時の人になりつつあった。
そこにコメントを寄せていた西城秀樹はごく自然体で、普段から思っている気持ちを、そのまま素直に取材記者に語っている。
数年前に『ぎんざNOW!』でキャロルと一緒になったことがあるんだ。そのとき、「僕も、広島県出身なんですよ」って話しかけられてネ、ずいぶん腰の低いていねいな人だななんて思った。
でも、スッゲエいい曲歌ってるんだ。ボクが矢沢さんを尊敬しているのは、このソング・ライターの面が多いかもしれないよ。
今のボクのコンサート・ツアーにも「セクシー・キャット」と「恋の列車はリバプール発」の2曲がはいっているけど、何といっても矢沢さんにボクのオリジナル曲を書いて欲しいな。
コメントの中で語った言葉からは良い楽曲と出会って、それを自分の表現で歌ってみたいと思っている若者が、素直に音楽に向き合おうとしている向上心が感じられる。
ソングライターとしての矢沢永吉を高く評価しているところが、西城秀樹が“ロックの申し子”であることを示していた。













