1日300人、火災報知機が鳴るほどの盛況

──当時、市場をどのように開拓していったのですか?

まず雑誌ですよ。どこの出版社にも膨大な量の広告を出し続けたんです。『平凡パンチ』では記事広告もやりましたね。「包茎だけは嫌だ」という結論に持っていこうとするなかで、「包茎は恥ずかしいもの」というイメージが日本中に浸透していきました。そのためには、とにかくメディアと仲良くしなければ広がらない。口コミで広がるのを待っていたら100年かかりますよ。

僕はレギュラー番組を持っていて、お腹の脂肪吸引を実演したりもしていました。自分のテレビ番組を持てば、何百万人に常時発信できるわけだから。それが一番効くんですよね。

──最盛期には、お客さんの数はどのくらいになったのですか。

1日300人ですよ。整形外科医として人工関節の手術は週に1~2例しかないのに。包皮を焼く煙がビルに広がってね、火災報知機が鳴って、消防署が来たこともありましたよ。焼肉屋の大量の煙がビルに充満したみたいになってしまってね。

81歳になるが現役バリバリで手術をこなす高須
81歳になるが現役バリバリで手術をこなす高須

──「包茎の高須」というイメージがついてしまったことについては。

自分ではすごく悔しいんですけどね。それだけをやっていたわけじゃないから。整形外科もやっていましたしね。美容外科についても、脂肪吸引も鼻の手術も、今普及しているものは最初に僕がやったものばかりなのに、いつの間にか包茎で有名な印象になってしまって(笑)。

──韓国にも包茎手術を広められたと聞きました。そもそも韓国との関わりはどのように始まったのですか。

昔の韓国はね、美容整形がほぼ禁止状態だったんですよ。日本で整形したことがバレたらパスポートを取り上げられて出国できないほど厳しかった。朴正煕政権の頃は「親からもらった体に手を加えるとは何事だ」という儒教的価値観が強くてね。

そこで在日韓国人へのPRから始まりました。彼らは韓国のテレビを見たいんですよ。でも東京では電波が届かないから、ビデオレンタルで見ていたわけです。そこで「高須クリニックの美容整形ビデオとセットで借りてくれればタダにする」というPR作戦を取ったんです。それで在日韓国人が全員うちに来るようになりました。