「金太郎、結婚!」(集英社文庫・コミック版8巻収録)
金太郎のプロポーズの言葉
『サラリーマン金太郎』第80話では、ついに金太郎が美鈴に結婚を申し込む。そのプロポーズの仕方が、いかにも金太郎らしくてしびれてしまう。
美鈴は金太郎より10歳近く年上で、金太郎よりもはるかに稼ぎ、地位もある銀座の高級クラブのママだ。
その美鈴に、金太郎はプロポーズのあと、はっきりと条件を伝える。まずは店をやめてもらうこと。さらに、今住んでいる高級マンションは美鈴の娘・美々に譲り、金太郎の稼ぎだけで住める部屋に引っ越すこと。箱根の別荘も、ハワイのコンドミニアムも、持っている競走馬もだめだと言う。
普通に考えれば、金太郎のほうが相手の豊かさに乗る形になってもおかしくない。だが金太郎は、そうしない。そのうえで、ひとつだけ美鈴と約束する。
「大事にする……。歳とってもふたりで手をつないで海岸を歩こう」
この言葉には、金太郎の自信と責任感がにじんでいる。贅沢な暮らしができる美鈴を、自分の人生の中に迎え入れ、自分が責任を持って生きていく。その覚悟を、金太郎は口にしている。
今も昔も、幸せの形はひとつではない。だが、この関白宣言のようなプロポーズが心に強く残るのは、美鈴が心底幸せそうな顔をしているからだろう。
二人のこの場面は、ぜひ漫画でも読んでほしい。























