「豚の値段が上がり続けている」
都内のスーパーの経営者も、足元の豚肉価格は高水準だという。
「ここ20年、いやそれより遡っても、豚肉は今が最高値になっていますね。
輸入肉だけでなく国内においても去年の猛暑の影響を受けて子豚が生まれなかったことや夏バテで餌を食べられずに規定の重さに達せず、出荷できない豚も増えて、豚の値段が上がり続けているからです」
前出の三輪氏も「現在の物価高を鑑みれば、ブランドによっては商品構成そのものを見直さざるを得ない局面に入っていると言える」という。
「『しゃぶ葉』を運営する『すかいらーくグループ』は食べ放題の業態に強みがあります。グループ全体で約3,000店舗という規模を背景に、産地やメーカーから直接、有利な条件で食材を調達しています。
自社のセントラルキッチンで一括加工し、全国10カ所の拠点で調理・加工を行うことで店舗の作業を簡略化しつつ、人件費の抑制と品質の安定を両立しています。
さらに、自社物流網で毎日1,000台以上のトラックを巡回させることで、配送コストを抑えながら安定供給を実現しています」
そんな中でも「しゃぶ葉」は、2000年に第一号が生まれた「しゃぶしゃぶ温野菜」よりも後発ながら一気に市場を席巻したグループでもある。
「『すかいらーくグループ』はドリンクバーや呼出ベルをいち早く導入してきた企業であり、そうした開拓者精神は『しゃぶ葉』でも生かされています。
平日ランチの無制限や、タレや薬味を自由に選べるカスタマイズ性などが受けて『しゃぶしゃぶ温野菜』が切り開いたリーズナブルなしゃぶしゃぶレストラン市場に対して2007年に一号店ができるなど後発ながら一気に席巻したのです。
グループ内でも業態転換などを進めながら、成長してきたブランドです」(前出・三輪氏)
豚肉価格の高騰が続き、家庭では「高すぎて手が出ない」との声も広がるなか、比較的リーズナブルな価格で肉を楽しめるしゃぶしゃぶ食べ放題業態の存在感は高まっている。
『しゃぶ葉』が公式的に謝罪した翌日21日、記者も都内の店舗を訪れた。提供された豚ロースはトレーが透けておらず、いつもの肉に戻っていた。
薄いと不平を言うよりも、いただけるお肉のありがたみに感謝する気持ちが大事なのかもしれない。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班














