母の最期と父のこと
この先どこで母の最期を看取るのか、それまではどこで介護や医療を受けるのかについても考えないといけません。
実家の堺で看取るか、それとも施設や緩和ケアの病院など、別の場所か。
いずれにせよ、私自身がかかわるほかなさそうです。
長女は関西に住んでいましたが、三女・四女は東京在住、京都に住み、在宅医療をしている私がかかわらざるをえないと腹をくくりました。
実はこの前の週に私は、私の自宅のある京都での療養も視野に入れて、サービス付き高齢者向け住宅の見学に行っていました。
サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」とは、高齢者向けにバリアフリー構造となっていて、安否確認や生活相談などのサービスを受けることができる賃貸住宅のことです。
サ高住によって条件や環境は違いますが、あくまで「賃貸住宅」なので施設に比べて自由度は高いのが特徴です。
このサ高住のパンフレットも渡しつつ、両親には「こういうところに引っ越すと安心してお母さんの介護サービスも受けられるし、お父さんの透析治療もしやすいよ」と説明しました。
ところが、「おいおい時期が来たら考える」と軽く返されたのです。
「おいおい時期がって……。オイオイ、その時期が今なんだってば!」と心の中でつっこみつつ、この二人は本当に困らなければ考えないし、私が何を言っても無駄ということもわかっています。
結局、それ以上何も言わず、パンフレットだけを置いてきました。
また、選択肢の一つとして、私の自宅に連れ帰ることも考えないわけではなかったのも事実です。
ただ、一瞬考えはしたものの、すぐにやめました。母が亡くなったあと、一緒についてきた父をわが家から追い出せなくなることを考えると……その最悪の選択肢はすぐ却下となったのです。













