日本の問題は国債発行残高が大きいことではなく、日本銀行が支えていること

もっとも日本政府の債務に関する本当の問題は、政府が債務超過になっているということではなく、日銀が国債発行増加を支え過ぎたことだと思います。

日銀は1999年にゼロ金利政策を導入してから、現在に至るまで四半世紀以上も政策金利を0.5%以下に留めていました。加えて量的・質的金融緩和政策などを通じて大量の国債を購入してきたこともあり、(短期債を除く)国債発行残高の半分を保有しています。これは他の主要国よりも圧倒的に高い保有比率となっています。

国債残高に占める中央銀行の保有比率(『インフレ・円安・バラマキ・国富流出』より)
国債残高に占める中央銀行の保有比率(『インフレ・円安・バラマキ・国富流出』より)
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日本銀行が大量に国債を購入し、保有してきたことは、日本の政府債務残高がここまで膨張してきた重要な要因です。

文/佐々木融

『インフレ・円安・バラマキ・国富流出』(日経BP 日本経済新聞出版)
佐々木融
インフレ・円安・バラマキ・国富流出
2026/1/25
1,100円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4296125951

【内容紹介】
円の価値が毀損し続ける中、どのように自分の資産を守るべきか
「いつか円高に戻る」という過去の経験則は通用しない


本書は、為替の第一人者が、円安の根本原因を解き明かし、今後起こりうるシナリオと防衛策を提示する。静かに進行する危機の本質を把握し、インフレの時勢を生き抜くための一冊。

【著者より】
今回の本では、強かった円がなぜ弱くなってしまったのかという構造変化を中心に解説し、今後の見通しについても私の見方をご紹介したいと思います。
「円」という紙切れは今、信用を失い、取り戻せなくなる瀬戸際に立っているような気がします。正直なところ「時既に遅し」と思っているのですが、それでも本書を書くことによって、少しでも多くの人がそれに備えることができればと思っています。

【目次】
第一章  お金、投資、マーケットのそもそも
第二章  なぜ円はこれほどまでに弱くなったのか
第三章  日本政府の借金はなにが問題なのか
第四章  マイナスの実質金利から抜け出せない円
第五章  止められない日本からの資金流出
第六章  失われた30年はなぜ失われたのか——取り戻すために必要なこと

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