「国債は政府の借金だが、日本全体で見れば問題がない」は本当か?

日本の政府債務残高「対名目GDP比2倍以上」という数値も、中身を見る必要があります。単純に表面的な数字だけで判断するのはよくないと思います。ただ、一方で「日本政府の債務残高は、社会保障基金や政府系金融機関も含めた統合ベースの資産も考慮したネットで見れば2番目に低い」という主張も言い過ぎだと思います。

実際には売却して国債の返済に充てることが非現実的な資産を考慮しているので、「自分はその気になれば痩せやすい体質なんだ」と言い続けて、暴飲暴食を繰り返しているのと同じような気がします。

時折、ソブリンCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のスプレッドに言及される方もいます。これで見ると、日本政府がデフォルトする可能性はかなり低いということを示しています。ただ、ここでまずはっきりさせたいのは、日本政府はまずデフォルト(破綻)はしないだろうということです。

日本の債務は国債を含めてすべて円建てです。したがって、もし困ったことになったら、最後は日本銀行がお札を刷って国債を買えばよいので、日本政府が借金が多すぎて破綻することはないと思います。その結果は急激なインフレとなりますが、政府のデフォルトは回避できます。

円とドル(写真/PhotoAC)
円とドル(写真/PhotoAC)

後から順番に説明していきますが、日本の問題はデフォルトの可能性が高いということではありません。だから、ソブリンCDSのスプレッドを見ていても、あまり意味がないと思います。

時折、「国債は政府の借金だが、国民の資産なのだから、日本全体で見れば問題がない」といった意見も耳にします。それは本当でしょうか。

私には歳が一つ下の弟がいます。性格はまったく違いますが、同じく金融業界に勤め、趣味が似ているので仲が良く、両方の家族で時々集まります。それぞれの三人の子どもたちも年齢がほぼ同じくらいですし、我々にとっての孫達も同年齢ですので、我々の母親も含めて、「佐々木家」としての一体感は強いと思います。

さて、そんな一体感の強い「佐々木家」なので、私が弟に多額の借金をお願いしたとしましょう。借用証書もちゃんと書いて渡すこととします。そして、借金はどんどん膨らんでいき、弟の手元には私が書いた借用証書が積み上がっています。