支持率は依然として高いが「下落トレンド」に
こうした流れは高市首相にとって「後の脅威」となり得るものだろう。今秋に予定される内閣改造や党役員人事、さらには内閣支持率が低迷した際に「親高市」となるか、「非高市」となるかで政権運営は全く異なる状況を迎えることになる。
高市首相は2月の衆院選で「私か、私でないか」を国民に問うたが、最近は首相の党内外に対する姿勢も同様だ。自らを全面的に支持するのか、それ以外なのかを仲間である自民党議員や官僚たちにも迫っているように映る。
足元の各種世論調査を見ると、高市内閣の支持率は依然として高いものの、下落トレンドに入っている。毎日新聞が3月28、29日に実施した調査で支持率は前月に比べて3ポイント減の58%となり、2カ月ぶりに60%を割った。不支持率は28%だ。
共同通信の調査(4月4、5日)は支持率63.8%で前回調査から0.3ポイント減となり、不支持率は前回から2ポイント増の26.0%となった。JNNの調査(4月4、5日)も支持率71.5%で0.3ポイント減だった。
もちろん、下落率は誤差の範囲と言えるレベルものであり、いまだ高水準にあるのは変わらない。ただ、菅内閣が新型コロナ対応などをめぐり支持率が急落したことを踏まえれば、最近の物価上昇やイラン情勢の悪化などを起因とした変動がいつ起きても不思議ではない。
「支持率頼りの政権運営」は瓦解しかねない
内閣支持率や自民党の政党支持率が高くても、3月の石川県知事選や市長選では自民系候補が連敗していることも気がかりだ。
高市首相は、安倍元首相の「後継者」として憲法改正や靖国神社参拝などを保守層から期待されてきた面もある。だが、最近は現実路線に舵を切るシーンが目立ち、歴代政権が踏み込むことができなかった大胆な決断や政策転換を果たせているとは言い難い。
こうした言動にはコアな支持層からも「期待外れ」の声が上がるのは当然だ。政権の物価高対策に対する国民の評価も低迷しており、消費税減税の早期実現も遠ざかっていけば、カギを握る無党派層や女性の支持も離れて「支持率頼りの政権運営」は瓦解しかねない。
高市首相は1月の記者会見で「国論を二分するような大胆な政策、改革に批判を恐れることなく、果敢に挑戦していくためには国民の信任も必要」と述べて衆院解散を断行したが、政権発足から半年が経つ今もその中身やスケジュールは明らかではない。
2026年度当初予算は成立したものの、「サナエノミクス」と呼ばれる経済政策によって国民生活が良い方向に変わったと感じる向きも少ないのではないか。













