人生の最期をどう過ごしたいか
同財団の過去の調査結果を比較すると、「自宅で過ごしたいが、実現は難しいと思う」と回答した人の割合は、2006年63.3%→2008年61.5%→2012年63.1%→2018年41.6%→2023年44.5%と推移している。2012年以前に比べ、2018年以降では2割程度減少しており、在宅医療の拡充と社会的理解の進展が背景にあると考えられる。
「家族がいなければ在宅で過ごせない」「家族に負担をかけるので自宅で過ごすのは難しい」といった懸念は根強いが、医療や介護の体制が整えば、一人暮らしであっても自宅で最期を迎えることは不可能ではなく、いまや現実的な選択肢となっている。
厚生労働省の『令和4年度 人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査』によれば、最期を迎えたい場所として「自宅」と回答した一般国民は43.8%で、「医療機関」との回答(41.6%)とほぼ拮抗していた。
注目すべきは、医師の56.4%、看護師の57.4%、介護支援専門員の58.1%が「自宅」を希望しており、一般国民よりも15ポイント近く高かった点である。この結果は、医療・介護の専門職の実感として、在宅での看取りが実現可能であることを示唆するものである。
なお、同調査では、最期を迎える場所を考える際に一般国民が重要だと考える要素として、「家族等の負担にならないこと」が71.6%と最も多く、次いで「体や心の苦痛なく過ごせること」が60.2%、「経済的な負担が少ないこと」が55.9%だった。「自分らしくいられること」も約半数が重視していた。
人生の最期を「どこで過ごしたいか」を考えることは、最期の時間を「どう過ごしたいか」を考えることでもある。家族に過度な負担を強いることなく、苦痛をなるべく抑えて、自分らしく死を迎えたいと考える人は多いであろう。家族の有無にかかわらず、本人の希望に応じて、最後まで安心して自宅で過ごせる社会の実現が求められる。













