行きつけのバーで挙動不審だった山中容疑者

河嶋さんが社長をつとめる音響会社の部下で、高校時代の同級生でもあった山中被告は借金を抱えていたようだ。社会部記者が解説する。

「借金を抱えていた山中被告は事件当日、河嶋さんを刃物で刺したあと財布から現金十数万円を奪いとり、自分の口座に振り込んでいた。調べでは『(河嶋さんが)強盗にあったように装うためにやった』とも供述をしている。地検は8日までに起訴内容を強盗殺人の罪に変更するよう東京地方裁判所に請求した」

山中容疑者(本人SNSより)
山中容疑者(本人SNSより)
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事件から5日後、山中被告の母親は「集英社オンライン」の取材に対しこう話していた。

「河嶋さんと(息子は)高校時代から仲良くしていて、私も会ったことがありました。二人は親友だったと思います。事件については私は何もわかりませんし、大変申し訳ありませんが警察から報道陣と接触しないようにと言われておりますので…」

現場となったマンション(撮影/集英社オンライン)
現場となったマンション(撮影/集英社オンライン)

親友だった河嶋さんと山中被告。これまで蒲田駅周辺では酒をくみ交わす姿が何度も目撃されていた。地元の飲食店店主は事件当時こう語っていた。

「二人が蒲田界隈で飲み歩き出したのはもう15年も前のことだと思いますよ。2人は『まー』『あきちゃん』と呼び合っていて、本当にコンビとか相棒っていう感じでした。高校から一緒でずっと友達として仲良くて、旅行なんかもよく一緒に行っていたし、河嶋さんは山中さんの結婚式にも出てましたよ。

山中さんはアパレルの会社に勤めていたのですが、『給料があまり上がらない』と愚痴をこぼしていて、それを心配した河嶋さんが『ウチで働かないか』と声をかけたんです。4年くらい前のことです」

殺害された河嶋さん(会社HPより)
殺害された河嶋さん(会社HPより)

親友同士だった二人だが、入社後は溝が徐々にできていったようだ。

「(入社後も)2人で一緒に飲みに来ることは最近までありましたよ。2人とも大人なんで仕事とプライベートは切り分けていましたけど、山中さんは部下としてストレスが溜まっていた部分はあると思います。

河嶋さんが経営者として山中さんに『ちゃんとしろよ』と注意することもあったので、ケンカというほどじゃないけどそれがもつれていくというか、山中さんが『何でそんなこと言われないといけないんだよ』と応戦するような雰囲気になったことはありました。

それに2人とも週5日レベルで飲み歩く人たちで、ウチの店じゃないけど山中さんは酔って会計を忘れてそのまま帰ってしまったことがあったそうです。もちろん後日きちんと払いに来ていたそうですが、そういったことを河嶋さんは『会社の評判にも関わるようなことにならないか』と心配していました」

山中被告(写真/知人提供)
山中被告(写真/知人提供)
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酒がらみでだらしなく振る舞う山中被告は、「経営者」である河嶋さんからすると、「部下」として心許ない存在に変わっていったのかもしれない。

「山中被告は逮捕当時『これまで1.5カ月分だったボーナスが、1カ月分に理由も言わずに下げられた』『過去にさまざまな現場の不満を伝えたが、口で言っても分かってもらえなかった』とも供述している。借金で首が回らずボーナスも下げられたことが引き金になったのかもしれません」(社会部記者)

30年来の「親友」を刺して金を奪い、自らの口座に入金したとみられる男は、いま何を思うのか――。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班