「金太郎、招集する。」(集英社文庫・コミック版5巻収録)

金太郎のかつての仲間たちが大集結!

『サラリーマン金太郎』第48話は、退職願を書いた金太郎が、ついに“サラリーマンの枠”を完全に飛び越えてしまう回だ。

これまでの話で金太郎は、息子宛てに爆弾が送られるという、一線を越えた報復行為を受けた。そこで彼は、元暴走族総長としてこの報復に落とし前をつけようとする。

金太郎はかつての仲間たち八州連合のメンバーに招集命令をかける。すると彼らは仕事を放り出し、すぐさま特攻服に身を包んで次々と河北へ集結する。

昔の仲間たちは、「金ちゃん」の一声で迷いなく動く。彼らは50歳、60歳になっても、金太郎の頼みとあれば駆けつけるというのだ。

しかも集まるのは、昔ながらの仲間たちだけではない。かつて“矢島金太郎”の伝説を噂で聞いていた地元のヤンキーたちまでバイクで合流し、その数は最終的に6000台超え。警察も「そんな数が集まるわけがない」と高をくくっていたぶん、完全に対応不能に陥る。

この回でいちばん熱いのは、金太郎も含めて、かつての仲間たちがちゃんと“今を生きる大人”になっていることだ。

金太郎は大手企業のサラリーマンで、ほかの仲間も寿司屋、花屋、大工など、それぞれ別の人生を歩んでいる。それでも「金ちゃんが呼んでいる」となれば、みな迷わず集まってくる。その仲間意識の強さが、とにかく熱い。

もっとも、冷静に考えるとやっていることはとんでもない。退職願を書いたとはいえ、まだ現役のサラリーマンが6000台規模の集団を率いて、役所やヤクザの拠点に突っ込んでいくのだから、むちゃくちゃにもほどがある。

とはいえ、我が息子に爆弾を送ってきた相手を、このまま黙って見過ごせるはずがない。昔の仲間たちとともに、理不尽そのものへ正面から殴り込みに行く。第48話は、金太郎という男の規格外っぷりが最も派手に炸裂する一話になっている。