かつての高揚感、熱狂とは今は違う
大型連休中に報じられた1つの世論調査が永田町の注目を集めた。JNNが5月2、3日に実施したもので、高市内閣の支持率は前月調査から2.7ポイント上昇し、74.2%になったという内容だ。
不支持率は24.3%に微増したものの、首相就任から6カ月が経過した政権が高支持率を維持している例は過去30年間で小泉純一郎内閣(2001年4月〜2006年9月)、第2次安倍晋三内閣(2012年12月〜2020年9月)、岸田文雄内閣(2021年10月〜2024年10月)の3例しかない。
NHKが5月8~10日に実施した調査でも支持率は61%と横ばいで、不支持率は23%だった。
だが、昨年秋に女性初の宰相が誕生した際の高揚感や2月の総選挙で自民党が圧勝した時の熱狂と今は違うと感じる向きは少なくないはずだ。
首相は従来とは異なる「責任ある積極財政」に転じると豪語し、飲食料品の消費税ゼロ化などを矢継ぎ早に掲げたものの、その「実績」はなお乏しい。
物価上昇に苦しむ国民の生活が具体的に好転したり、日本が抱えてきた諸課題を劇的に解消したりということはないのだ。
たしかに日経平均株価は6万円台を突破し、史上最高値を更新してきたものの、その恩恵は株式投資や投資信託などに余裕資金を傾ける一部の国民に限られる。この点は、期待感が先行してきた高市政権にとって「急所」でもあると言える。
日が経つにつれて、好印象を与えるメディア露出も減っており、高市政権への「期待」が一転して「失望」に変わらないためには、目に見える形での「実績」が不可欠となるのは間違いない。
言行不一致にガッカリした保守層
高市政権の今後を占う上で「最初の関門」となるのは、公約の達成状況だろう。首相は自身の強固な支持層とされる保守派に向けて靖国神社参拝や「竹島の日」式典への閣僚出席などをめぐり、威勢の良い言動を繰り返してきた。
だが、首相に就任すると靖国参拝を断念し、式典への閣僚派遣も「堂々と大臣が出ていったらいいじゃないですか」と語っていたにもかかわらず見送っている。言行不一致は何も政治家の“専売特許”ではないが、保守層の中にはガッカリした人も少なくないはずだ。
この先に問題となり得るのは、飲食料品の「消費税ゼロ化」である。高市首相が率いる自民党は2月の衆院選で「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」と公約した。
選挙後、野党にも呼び掛ける形で「国民会議」はスタートしているが、最近は「ゼロ」という言葉が抜けているように映るのは気になるところだ。













