内田教授が指摘する「二つの課題」とは

教員の志願者を増やし、離職者を減らしていくために重要な課題として、内田教授は「長時間労働の削減」と「保護者対応」を挙げる。

「部活動の指導では土日が潰れることも多く、それを前提とした働き方は問題があります。17時に帰れて、家庭で子どもと過ごす時間も確保できれば、本当に魅力的な仕事になります。

今、現場の先生たちはよく『やりがい』を強調しますが、いっぽうでそれは長時間労働を隠すかのような説明にも聞こえます。そのやりがいが17時までに得られれば素敵だと思いませんか?というのが私の問いなんです」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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また「保護者対応」については、特に若手教員に大きな負担をもたらしているという。

「かつては教員という存在は良くも悪くも権威がありました。それが低下した今、若い教員が自分よりも年上の保護者に対応する難しさもあります。

そういう中で、保護者はさまざまな無理を言ってくるケースがあります。

たとえば『スマホの扱い方を子どもに教えてほしい』『ゲームの課金トラブルを起こした子どもに指導してほしい』などと保護者が要求してくるという話は当たり前のように聞きます。

しかし、本来それは家庭の役割です。こうした状況は、もはや学校への『依存』です」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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内田教授は、保護者と教員の間には溝があり、お互いの理解を深めることが重要だと指摘する。

「保護者と教員は近いところにいるようで、実はお互いに何も知らないまま、距離感がある状態です。

そうした中で今、PTAが教員の働き方を知ろうとする動きがあります。このような取り組みが現実的な課題解決につながることを期待したいと考えています」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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教員の長時間労働の削減と保護者対応の改善の二つが進めば、職場環境の改善と、志願者の増加につながる可能性がある。

「実際、この1~2年で学校から部活がなくなるという自治体がいくつかあります。たとえば神戸市も今年の夏、公立中学校の部活動は完全に終了する予定です。

その話を聞いた教員志望の学生が、受験先に神戸市を選ぶというような動きもあると聞きます。人材が限られている中で、真っ先に取り組まなければならないのは職場環境の改善です」

義務教育制度を守るために各自治体が動きを加速させる中、現場の課題をどのように解決していくのか。さらなる議論と迅速な取り組みが求められている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班