「命の危険を感じた事もありました」
「9年前に受けたいじめが原因で私の人生は大きく変わりました」と、ナナミさんは静かな口調で切り出した。
取材にあたり、顔出しで記事を掲載するリスクをナナミさんに伝えると、彼女は「顔を出して話すことで『いじめ』に対して真剣に考えてくれる人が増えると思うんです。それに私にとっては堂々と話せることです』と強い覚悟をみせた。
ナナミさんの通っていた関東のある小学校は150年以上の歴史を誇る伝統校で、ここに子どもを通わせるために学区内に引っ越してくる人も多いと言われるほどの人気校だ。
当時、ナナミさんは学校に行くのを毎日楽しみにしていた。友だちと一緒に下校し、放課後は公園で遊ぶ、どこにでもいる活発な子どもだったという。
しかし、小学校5年生の5月から何の前触れもなく「いじめ」は始まった。ナナミさんが振り返る。
「理科の授業の一環でメダカを育てることになり、私のクラスに水槽が置かれました。水槽のメダカを見ながら1人の女子児童が『ナナミに顔が似てる』と言い出し、私のことを『メダカ』と呼ぶようになりました。
なんとなく恥ずかしいあだ名だと思い、それは『嫌だ』と伝えましたがやめてくれず、次第にみんなが『メダカ』と呼ぶようになったのが、いじめのきっかけでした」
いじめに加担していたのは複数人の女子児童で、そこからいじめはエスカレートしていく。
ナナミさんの筆箱を取り上げて仲間内で回したり、床に叩きつけるなどの行為が毎日、休み時間ごとに行なわれた。
「他にも髪の毛を引っ張られたり、脇の下から手を差し込まれて羽交い絞めのような形で首を絞められたりしました。ランドセルを引っ張られ体を振り回され、階段から転がり落ちそうになったり、下校中に突き飛ばされ、車道に転んでしまい命の危険を感じたこともありました。
メダカ以外にもイワナと言われる事もあり、目にげんこつを押し当てられて『イワナは眼から棒を突き刺して焼くんだぞ』と脅されたりもしました。また『私は猫、お前はネズミ、お前は獲物だから逃がさない』とも言われました。いじめられるようになって2か月が経っていましたが、この時身の危険を感じるようになり母に打ち明けました」













