先延ばしされた交渉は30分…市の回答は

昨夏に突然発表された高崎市の「小学校7時開門事業」。

共働きなどの理由で早朝に家庭に居場所のない児童のために、市内全小学校の開門時間を午前7時に前倒しするというものだが、子どもの安全確保のための施策がないことや、事業発表までの不透明なプロセスや事業内容に対して現場の教員らは強く反発している。

1月以降の市教委とのやり取りについて、全群馬教職員組合の田中委員長は次のように説明する。

「1月9日に市の教職員組合とわれわれの連名で、事業の撤回と再検討、ニーズ調査、人員配置、市長と意見交換の場を要求しました。その後、28日に市教委から『対面を希望するのであれば、正式な団体交渉としての書面にしてほしい』と回答がありました」

高崎市役所(写真/PhotoAC)
高崎市役所(写真/PhotoAC)
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田中委員長によれば、勤務条件に関することの記入や、「地方公務員法(地公法)の55条に基づいたものである」と記載することを要求されたという。地公法の55条には次のように記載されている。

「地方公共団体の当局は、登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、及びこれに附帯して、社交的又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し、適法な交渉の申入れがあつた場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。」

田中委員長はこう続ける。

「市教委は地公法55条を根拠に『交渉事項には当たらない』と結論付けようとしているのではないかと思います。

しかし地公法55条は、『勤務条件に関わること以外は話し合ってはいけない』とは書いておらず、福利厚生なども含めて働きやすくするためのことはすべて話し合っていいとしています」

田中委員長らは訂正した要求書を2月12日に提出。その後、3月13日に市教委から対面交渉に応じると回答があり、27日に「30分」という制限のなかで交渉が行なわれた。

高崎市教職員組合と全群馬教職員組合が市教委に提出した要求書(写真/全群馬教職員組合提供)
高崎市教職員組合と全群馬教職員組合が市教委に提出した要求書(写真/全群馬教職員組合提供)

交渉で市教委側は「緊急対応が必要な場合は、校務員が管理職等に連絡をして指示を仰いで対応する」「怪我をした子どもが目の前にいれば教職員も対応する場合があるし、今までもそうしていたと思う」「制度設計自体は非常にシンプルなものであり、勤務の負担が増加しているとは捉えていない」などと説明し、これまでの回答を繰り返したという。

市の方針通り、4月から事業が実施される。